WEBマーケティング研究会ロゴ

【WEBマーケティングを制する者が経営を制す】第10回 「顧客体験を設計する(カスタマージャーニー)」

顧客は「広告を見て→すぐ購入」するわけではありません。

検索・比較・相談・体験…といった複数の接点を経て、ようやく購入や契約に至ります。

この一連の流れを カスタマージャーニー(顧客の購買行動プロセス) と呼びます。

今回は、中小企業が成果を出すために欠かせない 顧客体験設計のポイント を整理します。

 

1.カスタマージャーニーとは

・顧客が認知から購入・継続に至るまでの体験を地図化したもの

・ ポイントは「企業が売りたい流れ」ではなく「顧客が実際にたどる流れ」で描くこと

👉 顧客の立場で「どう調べ」「どう感じ」「どう行動するか」を可視化することで、抜け落ちている接点や不安を見つけられます。

 

2.基本の5ステップ

・ 認知:「知る」段階

広告、検索、SNS、口コミで情報を得る

・興味・関心:「もっと知りたい」段階

HP閲覧、事例ページ、動画、セミナー参加

・比較・検討:「他と比べる」段階

料金表、プラン比較、口コミ、FAQ、資料請求

・購入・契約:「決める」段階

問い合わせ、見積提示、相談対応、契約

・継続・紹介:「もう一度/人に勧める」段階

アフターフォロー、ニュースレター、会員制度、紹介特典

👉 この5つを一筆書きでつなぐのが「顧客体験設計」の第一歩です。

 

3.WEBとリアルをつなぐ設計

・ 認知 → WEB広告・SNS

・ 関心 → ブログ・動画・事例ページ

・ 比較 → 資料PDF・FAQ・口コミ

・ 契約 → 電話・対面相談・オンライン面談

・ 継続 → LINE公式・メルマガ・会員制度

👉 ポイントは「WEBでつかんでリアルで確信させる」。

中小企業ほど、リアル接点の安心感が決め手になります。

 

4.顧客体験設計チェックリスト

[  ] 認知段階で、検索やSNSから会社を見つけやすいか

[  ] 興味段階で、HPに「選ばれる理由」や「事例」があるか

[  ] 比較段階で、料金やサービスの流れが明確に出ているか

[  ] 購入段階で、問い合わせ導線やレスポンス体制が整っているか

[  ] 継続段階で、リピートや紹介につながる仕組みがあるか

👉 この5項目を確認するだけで「どこで顧客を逃しているか」が分かります。

 

5.成功事例

ある士業事務所では:

・ 認知:SEOで「相続 税理士 ○○区」で上位表示

・ 関心:HPで「失敗しない相続手続き10のチェックリスト」を提供

・ 比較:料金表と他社との違いを分かりやすく掲載

・ 契約:問い合わせ後は24時間以内の初回レスポンスを徹底

・ 継続:ニュースレターで「法改正情報」を定期配信

→ 結果、契約率が向上し、既存顧客からの紹介件数も増加しました。

 

まとめ

・ カスタマージャーニーは「顧客の実際の行動を可視化」する設計図

・ 認知〜継続まで5ステップで考える

・ WEBとリアルをつなぐ導線が整っているかがカギ

・ 診断士は「どの段階で顧客が離脱しているか」を見極め、改善提案を行う

 

あなたのクライアントの顧客は、どの段階で一番離脱しているでしょうか?

一度、紙に「認知〜継続」の流れを書き出してみてください。改善点が必ず見えてきます。

 

次回予告

第11回「補助金×WEB活用の可能性」

IT導入補助金や省力化補助金など、WEB施策を支援できる制度を解説し、診断士が提案できる「資金調達×WEB強化」の切り口を紹介します。

 

執筆:中小企業診断士/WEBコンサルタント 小泉悟志

・ 東京都中小企業診断士協会「WEBマーケティング研究会」代表

・ エリアマーケティング研究会「終活ビジネス部会」リーダー

・ 葬祭業界専門コンサルタント(セミナー・執筆多数)

・ 株式会社エンディング総研 代表取締役

・ 株式会社東京WEB集客パートナーズ 代表取締役

最新記事
お申込・お問合せはこちら